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戸邉直人(走り高跳び)が日本記録を出した図子浩二コーチのトレーニング方法とは?経歴もチェック!

走り高跳びの戸邉直人選手が、世界陸上ドーハ大会日本選手団のキャプテンに選ばれました。
戸邉選手は日本にとどまらず、世界陸上2019や東京2020でメダルを狙うジャンパーです。
この記事では、戸邉直人選手が影響を受けた恩師図子浩二コーチトレーニングの考え方や、戸邉直人選手の大会成績、記録、経歴をまとめています。

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戸邉直人の2019年の記録とランキング

戸邉直人選手は、2019年2月2日に日本新記録を樹立しました。

戸邉直人選手が出した新記録は、2m35です!

なんと、その前の記録は13年間も破られていなかったのです。ビックリ!
(それまでの記録保持者は、醍醐直幸選手。記録は2006年日本選手権での2m28。)

新記録を出したのは、ドイツのカールスルーエという場所で行われた陸上の室内競技会でした。

下のツイッターは、戸邉直人選手自身がアップしたものです。

飛んだあと、自然にグルグル回っちゃうほど嬉しかったんですねー!!!

2m33は、前回のリオオリンピックならば3位に相当する記録です。

また、7月には戸邉直人選手が走り高跳びで世界ランキング1位!になっています!

この世界ランキングは、2019年から世界陸上競技連盟が制度を導入したそうです。
大会があるたびに順位は頻繁に入れ替わるのですが、戸邉直人選手は上位の常連です!

東京オリンピック2020での活躍が楽しみですね!

戸邉直人のプロフィール

戸邉直人選手のプロフィールをご紹介します。
ご覧のように博士号を持つアスリートです。

名前   戸邉直人(とべなおと)
生年月日 1992年3月31日
身長・体重194㎝ 74㎏
足のサイズ29㎝
出身中学 野田市立野田第二中学校
出身高校 専修大学松戸高校
出身大学 筑波大学
出身大学院 筑波大学大学院修士課程・博士課程修了
大学院専攻人間総合科学研究科コーチング学
博士論文テーマ「走高跳びのコーチング学的研究」
所属チーム つくばツインピークスを経て2019年よりJAL

戸邉直人選手の身長

走り高跳びで日本人が外国人になかなか勝てない理由として、身長差は解決がままならない要因でした。

ですが、戸邉直人選手は194㎝と、日本人では飛びぬけて長身です。

世界と戦うには、生まれ持った才能や本人の努力に加えて、この長身も重要な要素だったのですね。

体型にも恵まれた戸邉直人選手、世界で活躍するポテンシャルを持っています!

図子浩二コーチとの出会いと教え

戸邉直人選手は、専修大学松戸高校時代からインターハイ優勝など、大変活躍していました。
高校卒業後は、筑波大学に進学し体育科学を専攻します。

筑波大学を志望したのは、この大学では選手の自主性に任せた練習をしていることに魅力を感じたからだそうです。

そして、大学の陸上監督だった図子浩二(ずしこうじ)コーチの指導を受けることになります。

図子浩二コーチの経歴

1983年 筑波大学で体育科学卒業
卒業後、筑波大学でコーチ学や体育科学を研究
1996年 鹿屋体育大学(現・国立大学法人鹿屋体育大学)助手
その後、同大学で助教授、准教授となる
2007年 国立大学法人鹿屋体育大学教授
2009年 国立大学法人筑波大学 大学院人間総合科学研究科 准教授
2012年 国立大学法人筑波大学 大学院人間総合科学研究科 教授
図子浩二コーチは、長年コーチング学を研究し体育学専攻の学生の指導に当たってきた方です。

図子浩二コーチの口癖は、「エビデンスベースでやれよ」だったそうです。

エビデンスベースとは、運動動作の分析をして、その分析結果を根拠にするということです。

課題やトレーニングの方法は、エビデンスに基づいてこそ効果があるという考え方です。

例えば、走り高跳びの選手には、大学を卒業する頃にはアキレス腱を痛めて選手生命を終えてしまう人がよくいるそうです。

そこで、走り高跳びの選手の跳躍動作を分析し、踏切る時に足に約1トンもの力がかかることがわかりました。

これによりトレーニング内容は、1トンの負荷に耐えられるよう足の強化を目指すものになります。

足の強化に加え、足に不要な疲労をかけないことも考慮したトレーニング方法にし、選手寿命を延ばすことに繋げることができるのです。

戸邉直人選手はこの図子浩二コーチの理論と指導の下、次々と記録を伸ばしました。

元々練習の課題を自分で見つけることが好きだったという戸邉直人選手にとって、性に合ったやり方だったのかもしれませんね。

そして、運動力学で理論的に走り高跳びを研究することが、自分の記録更新につながることを実感した戸邉直人選手は、大学院進学を決心します。

自らが分析の対象となり、図子浩二コーチの下、研究とトレーニングを続けることにしたのです。

図子浩二コーチの急逝とその後

図子浩二コーチが2015年にツィートしたものです。
戸邉直人選手を応援する思いや、跳躍競技を広めたいという思いが伝わりますね。

ところが、2016年6月、図子浩二コーチは52歳という若さで、病気で突然亡くなってしまいます。

この年、まだ大学院生だった戸邉直人選手は、怪我の影響もありましたが、リオオリンピックの代表を逃し、他の大会でも記録が伸びていません。

後に図子浩二コーチの急逝が大変なショックだったことを、戸邉直人選手自身が認めています。

図子浩二コーチ亡き後の戸邉直人のコーチとトレーニング

図子浩二コーチが亡くなった後、戸邉直人選手は新しいコーチを付けませんでした。

大学院で自らの動作を解析し、分析結果に基づきトレーニングをしてきました。

分析結果がコーチですね!

インタビューで戸邉直人選手の研究室を訪れたTBSの上村彩子アナ(戸邉直人選手の高校の1年後輩)がこのようにレポートしています。
研究室に様々な計測機器があり、運動動作のフォームや体への負荷などを計測している。
戸邉直人選手は、それらの計測器を使いこなし、あらゆるデータを集計していた。

研究室には、踏み切り時の圧力を測るボードなど、たくさんの機器があって、跳躍の時の角度、ひざや股関節の角度や、跳躍の瞬間にかかるGがどのぐらいかなどを計測。戸邉先輩は、そのすべてを使いこなしてありとあらゆるデータを集計していました。

出典:https://sportiva.shueisha.co.jp/series/announcer/2019/08/23/post_1/index_3.php

なにしろ自分のフォームを基に分析した結果に基づいてトレーニングやフォームの改善ができるのですから、これはもう、他の人にはできない強みにです。

そして、2019年の春、博士論文の執筆を終え博士号を取得します。
修士課程だけでなく、博士課程にまで進んだのです。
そこまでやるか?!と私なんぞは思ってしまうほど、研究に打ち込んだのですね。

こんなツイートも上げていました。
戸邉直人選手にとっては、研究競技実践が車の両輪なのですねー。

そして、博士号を取得した直後に、<b>日本新記録を樹立</b>したのです。
思わずグルグル回って踊ってしまうのも無理はないですね!

戸邉直人選手の現在の所属と練習拠点

今、戸邉直人選手は2019年にJALと雇用アスリート契約という契約を結び、JAL所属になりました。

トレーニングや研究の拠点は筑波大学のままなので、普段は筑波大学にいるそうです。

とても恵まれた環境を得られたのではないでしょうか。

戸邉直人の目標

2019年2月に日本新記録を書き換え、欧州で複数の試合を終えた後のインタビューで、戸邉直人選手はこのように話しています。

今回、ほとんどの試合で、2m36、2m37という高さに挑戦しているのですが、いずれも跳べてもおかしくない跳躍ができたかなという感触がありました。その(2m)36、(2m)37を越えたら、次は2m40に挑戦することになります。すごく具体的に、「あと、どこがどれくらいできたら跳べるのかな」というイメージがつきましたね。
https://www.jaaf.or.jp/news/article/12421/

なんと!2m40が射程に入っています。

楽しみですね!

世界陸上2019や東京オリンピックの成績は、この記録に付いてくるでしょう!

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戸邊直人が所属したつくばツインピークスとJAL雇用アスリート契約とは

つくばツインピークスと戸邉直人選手とJALとの契約内容について調べてみました。

つくばツインピークスとは

筑波大学を拠点として、小学生に陸上競技を指導する団体です。

筑波大学の卒業生や筑波の大学院生がコーチとしてつくばツインピークスに所属しています。

陸上競技の理論やコーチ学を学んでいる学生の実践の場になっているわけですね。

戸邊直人選手の他に、三段跳びの犬井亮介選手も日本代表になったアスリートでつくばツインピークス所属として試合に出ています。

推察ですが、大学院生になると筑波大学陸上競技部に所属できなくなるという事情などがあるのかもしれませんね。

JAL雇用アスリート契約とは

戸邉直人選手は、2019年2月にJALと「雇用アスリート契約」を結びました。

JALは、さまざまな形でアスリートをサポートし、パートナーとしての契約をしています。

この契約でアスリートが担うのは、
競技に励むことと、JALの一社員として2020年の東京オリンピックパラリンピック大会に向けた社内外の機運を醸成することです。

業務としては、社会貢献に通じるスポーツイベント参加や、アスリートとしての体験を商品・サービスの向上に活かすことなどが課せられています。

現在、JALと雇用アスリート契約を結んでいるアスリートは戸邉直人選手の他に2人です。
2017年に契約をしたのが、
山本凌雅選手(三段跳び)
土井杏南選手(女子短距離のロンドンオリンピック代表)
そして、戸邉直人選手が3人目で2019年に契約しました。

この契約は選手を引退した後もJALの社員として雇用されることが前提だとか。
引退後の仕事があるというのは、アスリートにって安心材料になりますねー。

戸邉直人選手はツイッターで「入社」という言葉を使っていますね。

私個人的には、戸邉直人選手が将来引退した時には、
選手経験と研究を生かしたコーチになって後進を育てて欲しい!と思いますが、どうなるでしょうか?

戸邉直人の主な大会成績と記録

最後に、戸邉直人選手の中学時代からの主な成績をまとめます。

中学3年で全日本中学校陸上競技選手権大会で優勝し、その後もずっと全国レベルで成績を残していますね。

国内大会
2006年 中3  第33回全日本中学校陸上競技選手権大会優勝 1m94
2009年 高3 平成21年度 インターハイ優勝 2m18、
トキめき新潟国体優勝 2m23(高校新記録)
2010年 大1  第94回日本陸上競技選手権大会5位
2011年 大2  第95回日本陸上競技選手権大会優勝 2m22
2013年 大4  第97回日本陸上競技選手権大会2位 2m20
2014年 23歳 第98回日本陸上競技選手権大会3位 2m20
2015年 24歳 第99回日本陸上競技選手権大会優勝 2m26
2017年 26歳 第101回日本陸上競技選手権大会3位 2m20
2018年 27歳 第102回日本陸上競技選手権大会2位 2m20
2019年 28歳 第103回日本陸上競技選手権大会優勝 2m27
国際大会
2009年 高3 第5回東アジア競技大会4位2m18、
2010年 大1 第13回世界ジュニア陸上競技選手権大会3位2m21
2011年 大2 第19回アジア陸上競技選手権大会5位 2m21
第26回夏季ユニバーシアード予選B組12位2m00
2013年 大4 第27回夏季ユニバーシアード9位 2m20
2014年 23歳 セイコーゴールデングランプリ2014東京3位 2m31
第17回アジア競技大会5位2m25
2015年 24歳 第99回日本陸上競技選手権大会優勝 2m26
第15回世界陸上競技選手権大会予選A組15位 2m26
2017年 26歳 セイコーゴールデングランプリ2017川崎4位 2m25
2018年 27歳 セイコーゴールデングランプリ2018大阪優勝 2m30
第18回アジア競技大会3位 2m24
2019年 28歳 IAAFインドアミーティング/カールスルーエ優勝 2m35(日本新記録)

探究心にあふれるしっかりしたビジョンを持ったアスリート、戸邉直人選手。
2m40を目指して、もっともっと跳んで欲しいです!

跳べ!戸邉選手!
応援しています!

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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