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インディーズ映画『滝を見にいく』で沖田修一監督)が行ったオーディションとは?

『滝を見にいく』は、7人のおばちゃんが主人公です。どんな作品に仕上がるかは、この7人のおばちゃんそれぞれのキャラクターと取り合わせに大きくかかっていたと思います。

この7人のキャストは、沖田修一監督が全員をオーディションで選びました。演技経験がない人もいます。

沖田監督は、素人のおばちゃんに何を期待し、どのように選考したのでしょうか。

この記事では、『滝を見にいく』のオーディションやキャスティングについてまとめました。

<2020年11月の情報です。最新情報は公式サイトでご確認下さい>

沖田修一監督ってどんな監督?

プロフィール

氏名:沖田修一(おきたしゅういち)
生年:1977年8月4日
出身地:埼玉県
学歴:日本大学芸術学部

日大芸術学部卒業後、着々と映画を作り続け、沢山の賞も受賞しています。

インタビューや会見などを見ると、ちょっと照れ屋で温厚な印象の方です。

沖田監督の作品

沖田監督の名前を有名にしたのは、2009年の『南極料理人』でしょう。その後、徐々に知名度を上げています。

代表作(長編)

  • 『南極料理人』2009年 主演:堺雅人 南極観測隊の料理人・西村と隊員7人の極限環境での越冬生活。
  • 『キツツキと雨』2012年 主演:役所広司 山にゾンビ映画を撮りに来た撮影隊の気弱な新人監督と地元の頑固な木こりの交流。
  • 『モヒカン故郷に帰る』2016年 主演:松田龍平 売れないバンドメンバーの永吉が、結婚報告で実家に帰ると待っていたのは予想外の展開。
南極など舞台は特別な場でも、登場人物はごく普通の人々。
人と人との関りに温かさやユーモアが感じられるのが沖田監督の作品です。

 

どの映画もクスッと笑っちゃう

2016年にはネットフリックスオリジナルドラマ『火花』(原作:又吉直樹・全10話)の第5話、6話のメガホンを取りました。(総監督は広木隆一監督)

『滝を見にいく』のあらすじと見どころ

あらすじ

幻の滝を見に行く紅葉ツアーに参加した7人のおばちゃん達。
ガイドと一緒に滝を目指して山登りを始めます。ところが、ガイドが途中姿を消してしまい、おばちゃん達は山の中に取り残されていました。携帯は圏外。食糧もない。
突然山道で放り出されたおばちゃん達が、このピンチをどう乗り切るのか・・・!というお話です。

見所

おばちゃん同士なので、すぐに会話は始まります。
でも、この後わがままが出て喧嘩になるかな?誰かがリーダーシップを取るのかな?など7人の関係がどう変化するかや、どうやって山で一夜を過ごすのかに興味をそそられます。

 

リアルおばちゃん達の一夜を垣間見れる

『滝を見にいく』のキャスティング

オーディションにした理由

実はこの作品、ワークショップからスタートして映画を作ると言う前提があったそうです。

ワークショップは若い人対象になりがちなので、わざと年齢層をずらそうとした沖田監督が呼び掛けたのが、

「40歳以上の女性なら誰でも映画に出られますよ」でした。

この宣伝文句を見た40歳以上の女性が、想定以上の80名応募して来たそうです。

【オーディション選考と脚本】

監督が一人1時間近い面談をして、選考されたのが出演した7名です。

私見ですが、沖田監督は人が好きで、人に興味があるのだと思います。

きっと1時間の面談で、その人のバッグの中身からこれまでの人生まで、興味の向くままに色々話を聞いて、描きたい7人を選んだのではないでしょうか。

最初から演技経験者と未経験者を混ぜて採用する予定だったそうで、半数がほとんど演技経験がない人だそうです。

全然違う人物を演じさせるのは難しいと思い、名前やニックネームはその人のままで、脚本もその人に合わせて書いています。

つまり、7人のおばちゃんの素の人生からにじみ出る味を、そのまま映画に活かしたのがこの作品と言えるでしょう。

 

沖田監督のオーディション、私も受けてみたかった

7人のおばちゃんのプロフィール

演技経験はなくても、歌手などパフォーマンスをしてきた人もいます。
根岸瑤子さんは全くの素人です。

でも、7人とも演技はとても自然でした。

  • 根岸遙子:根岸由美子役(ユーミン)-主婦 妙高観光課のサポートでロケハンに同行したことが縁で、オーディションに応募し見事に合格
  • 荻野百合子:関本合子役(セッキー)-パートタイマー) 演技経験はほとんどない
  • 桐原三枝:桑田三枝役(クワマン)-主婦 ジャズシンガー。中高年劇団「楽塾」に所属
  • 川田久美子:田丸久美子役(クミ)-主婦 大学院でオペラを学びオペラ公演に出演している
  • 徳納敬子:花沢敬子役(師匠)-元教師 高校生の頃に映画のオーディションに受かったが、親に反対され断念。諦めきれず72歳で蜷川幸雄主菜の「さいたまゴールドシアター」に入団。60年を経てこの映画の出演を果たした
  • 渡辺道子:三角道子役(スミス)-販売員ドラマや教育番組に出演している
  • 安澤千草:谷由美子(ユーミン)-美容師劇団「ナイロン100℃」の劇団員

もしあなたが同世代の女性なら、あるいは、あなたのお母さんなら、あなたの奥さんなら、この7人の中の誰かに似ているところがあるのではないでしょうか?

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是非、おばちゃん達の山での一晩の出来事をお楽しみください!